ハンドメイド服販売のお仕事

材料費が上がっているので『販売価格』を上げた結果

タイトルにありますが、この春いくつか値上げをしました。

いま世の中は、物価の上昇がすごいですよね。
不動産も野菜も同じように上がってる。

大袈裟じゃなく、私が生きてきた中でも一番じゃないかくらいの上昇率。
みなさんどう感じてますか?

会社員であれば自分でお給料は上げられないのでなおさら大変ですよね?
では、自営業の私はというと

やっぱり販売価格を上げました。

500〜1,000円ほど。

もちろんお客さんからしたら安い方がいいに決まってる。

『上げたら売れなくなるかなー?』の不安は拭えないけれど
原価計算をしてみるとやっぱり上げざるを得ませんでした。

まずメインの『生地』の価格がここ1,2年で何回も上がっています。
1mあたり、最初は30円、3ヶ月後にまた100円、年が明けたら急に320円。
そして『え、この間上がったのに』また100円とか。

これは1例ですが、リネン(麻)などは1,2年で900円くらい上がっています。

ワンピースを作るのに夏物でも2m以上は使います。
そうすると1着あたりの生地代が1,800円増えてしまうことに。

さらに糸代、袋代、送料もぐんぐん上がってますね。

この間は、ラッピングに使っている麻ヒモが600円台だったのが一気に1,060円になっててびっくりし
スタッフに一斉メールしてしまいましたからね。

これでは1着あたり2,000円以上上げないといけなくなる計算です。

麻以外はここまではないですが、それでも1着あたり1,000円上げて
利益は今までとトントン。

そうなると縫製の外注費も上げないといけません。

で今回、いくつかのアイテムを泣く泣く値上げしました。

値上げした結果

『あれ?去年より売れてる‥』

そう、いいものは売れるんです(自分で言います笑)

買う人はいるんです。
欲しいものはみんな買うのです。

なんかニュースとかでやっているのはどうしてもネガティブな事例ばかり。
それはそのほうがニュースになるから。

もちろん物価が上がって大変な世の中なのは間違いありませんが
違う側面もあるということ。

今回の値上げでそれを実感しています。

話には続きがあって

この話をスタッフにしたところ
『巷で売っている服の値段が高くなりすぎてて、うちの服すごい安く感じる』

といった意見が出ました。

ハンドメイドサイトばかり見ていた私はそれに気づいていなかったのですね。
服を見て回っていないわけではないのですが、その市場とこの市場はちょっと別物だと
頭のどこかで考えていたのかもしれません。

でも服を買う側からしてみれば一緒なのです。

適正価格とは?

改めて『適正価格』というものを考え直しているところです。

『服の価格』ってあってないようなものかもしれません。

デパートの服の原価とファストファッションの服の原価は違っても倍くらい。
せいぜい1,000円と2,000円くらいの差です。
(大量に仕入れるので私が買うよりはるかに安いはず)

そういった原価の違いや社員の数、広告費、家賃などを考えても追いつかないくらいの価格差がありますよね。

ハンドメイドで作った服の価格を決めるのは自分自身。

『自信を持ってつける価格はいくらでしょうか。』

それだけの価値を提供できているのでしょうか?
しかもその価値を価値と感じるのはこちら側ではなくお客さんの側。

いくら自分で
『今回のはクオリティがすごい』とか
『手間と時間がめちゃくちゃかかっている』と思っていても
お客さんからしたら

『知りませんよ』となります。

私は直感で価格を決めます。
これはもう8年やっているので大体の感覚がつかめているからです。

そして『これはこの価格でしか売りたくない』といった付け方もします。

デザインもいいし生地もいい。
絶対気に入ってもらえると自信があるものは強気になれる。
それで買ってくださる方はちゃんといるし
そこまで数売れなくてもそれでいいと思っています。

これが私の考える本当の適正価格なのです。

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レビューを読むと
みなさんほぼ喜んでくれています。

そうでもない場合もあるのでしょうが、褒めてくださる方が本当に多くてありがたいことだといつも感謝しています。

『安くする」よりも、『喜んでもらえるもの』を提供する

これが一番大事なことなのです。